今回は、マンションリフォームを行っていたと言う現場から、分電盤の交換依頼がきたので、その工事の模様を書いていきます。
また、単相二線式と言う電気の供給方式や、それに対する分電盤の特徴も解説しますので、単相二線式の分電盤を交換したい、コンセントを増設したいと思っている方々にとって、何らかのお役に立てれば幸いです。
既存分電盤
上の写真は、現場に取り付けられていた既存の分電盤です。
リフォーム工事の終盤に分電盤の交換工事のみで呼ばれたので、分電盤のフタは既に無く、またブレーカーの数以上の電線が分電盤から配線されている状況でした。
電気容量などの制約に関してはお客様に説明しつつ、まずは分電盤の交換を行う事にしました。
分電盤の交換
上の写真の物が、新しく交換する分電盤になります。
既存の分電盤には漏電遮断器が組み込まれていなかったので、分電盤を交換する事で漏電による機器の故障や、人体への感電も防止する事ができると思われます。
上の写真に写っている様に、分電盤の下部にある引っ掛かり部分を押す事により、簡単にカバーを外す事ができます。
カバーを取り外した状態で、これから分電盤の取り付けやアンペアブレーカーの移設、そして各回路の電線の接続作業を行っていきます。
上の2つの写真は、アンペアブレーカーの取り付けの様子です。
写真では黄色い部分に20と言う数字がありますが、最大で30アンペアの契約までには電気容量を上げる事ができます。
上の写真は、各ブレーカーへの配線の接続が完了したところです。
先に行われていたリフォーム工事により、8個用意されたブレーカーに対して10本の配線がされていたので、電気容量的なバランスをみて、いくつかの回路をまとめて接続しました。
最後にカバーをはめて、分電盤の交換工事の完了です。
分電盤を新しくする事により、漏電遮断器を設ける事ができたり、大型家電を使用するコンセントは単独にできたりと、電気の使い過ぎにさえ注意すれば、以前よりも快適に暮らせる様になりました。
単相二線式の分電盤の特徴
以下に、単相二線式の分電盤の特徴を挙げます。
○新しい分電盤にする事により、漏電遮断器を設ける事ができる。
○単相三線式と違い、200ボルトの電圧を使用する事はできない。
○最大の電流容量は30アンペアまで。
○上記の最大電流容量から、回路数も最大8回路まで。
○通常は分電盤にフタが無い。
上記の様に、今現在主流となっている単相三線式の供給方式に比べると、色々と制約が多い様に感じます。
その理屈を簡単に言うと、時代の流れと共に、より生活し易く快適に過ごす為には、より電気を消費する場合が多くなった事により(エアコン、食器洗浄機、浴室換気乾燥機、IHなど)、単相三線式に移行していった為ですね。
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ご自宅が単相二線式の分電盤と言う人は、漏電遮断器の有無だけはまず確認しよう。
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